ターミナルケアとはなにか?海外との違い

ターミナルケアとは、死を目前にした患者に対するケアを指す。治療に重きを置くのではなく、残された時間をどれだけ充実したものにするかを考えるためのケアだ。病気や障害、老衰といった理由で終末期を迎える患者の苦痛を和らげ、肉体的にも精神的にも負担のないケアを目指している。ターミナルケアは病院だけに限ったことではない。老人ホームや在宅などでも行われる。その他にも、ターミナルケアを専門に行う医療施設(ホスピス)が存在する。

老人ホームで行われるターミナルケアは、「看取り介護」と呼ばれ介護職員やケアマネージャー、医師や看護師が連携して行う。在宅で行われるターミナルケアは、医師や訪問看護師が対応し、点滴や酸素吸入器が必要な場合は、患者や家族と十分な話し合いを行うことになる。ホスピスでは治療よりも、患者の痛みや体のだるさを緩和することを重要視している。患者の生活習慣を尊重し、在宅と近い状態で入院生活を送ることができるのが特徴だ。

海外でもターミナルケアは実施されており、特にイギリスのターミナルケアは高い評価を得ている。イギリスでは在宅で24時間体制のケアを行い、慈善団体が在宅ケアをサポートしているのだ。在院日数が非常に短いのが特徴で、終末期を在宅で過ごすのが当たり前になっている。また、ドイツでは社会保険の条文において、在宅ケアを優先することが明確に記載されている。主にボランティアがホスピスの職員となり、在宅介護サービスや看護サービスのコーディネートを行う。日本におけるターミナルケアは病院で行われるイメージが強いが、欧米諸国では在宅を優先しており、手厚いケアを行っている。